フィリピン旅行が注目される理由:多様な魅力が詰まった島国
フィリピン旅行を検討している方にとって、「どのエリアを選べばいいのか」「費用はどれくらいか」「治安は大丈夫なのか」という不安は尽きません。
この記事では、フィリピン旅行の基礎知識、主要観光エリア(セブ・マニラ・ボラカイ・パラワン)の特徴、ベストシーズン、費用目安、治安・安全情報を、観光庁、在フィリピン日本国大使館、フィリピン政府観光省の公式情報を元に解説します。
初めてフィリピンを訪れる方でも、目的に合ったエリアを選び、安全に楽しめるプランを立てられるようになります。
この記事のポイント
- 日本から直行便で4~5時間、時差1時間のため、短期旅行にも最適
- 物価は日本の約3分の1で、3泊4日なら12万~18万円が相場(格安なら5万~15万円も可能)
- ベストシーズンは乾季の12月~5月、特に1~2月は航空券・ホテルも比較的安価
- セブ島はビーチリゾートと街観光のバランス型、マニラは歴史・街歩き中心
- 治安は外務省危険度レベル1、スリ・置き引きに注意し、配車アプリ活用を推奨
(1) 日本から直行便で4~5時間、時差1時間で行きやすい
観光庁の統計によると、日本からフィリピンへは成田・関空・中部などから直行便が運行されており、所要時間は4~5時間です。時差は1時間(日本が1時間進んでいる)のため、身体への負担が少なく、週末+1日の短期旅行にも向いています。
2025年11月よりフィリピン航空が札幌-マニラ線を再開し、北海道からのアクセスも便利になりました。
(2) 物価は日本の約3分の1、コスパ抜群の旅先
フィリピン政府観光省の情報によると、フィリピンの物価は日本の約3分の1です。食費は1日1,000~2,000円程度で十分楽しめ、ローカル食堂なら1食200~500円、中級レストランでも1,000円以下で済む場合が多いです。
ホテルも幅広い価格帯があり、ゲストハウスなら1泊2,000~3,000円、中級ホテルは5,000~10,000円、高級リゾートでも15,000~30,000円程度です。
(3) ビーチリゾート・都市観光・自然体験の全てが楽しめる
フィリピンは7,000を超える島々から成り、多様な旅のスタイルを選べます。
- ビーチリゾート: セブ島マクタン、ボラカイ島のホワイトビーチ
- 都市観光: マニラの歴史地区(イントラムロス)、最先端エリア(マカティ・BGC)
- 自然体験: パラワン島のエルニド、ボホール島のチョコレートヒルズ
フィリピン政府観光省によると、これらのエリアは国際空港からのアクセスも整備されており、目的別に組み合わせることも可能です。
フィリピン旅行の基礎知識:気候・ビザ・アクセス
(1) 気候:乾季(12月~5月)と雨季(6月~11月)
フィリピンは熱帯性気候で、年間を通じて気温は25~35℃です。大きく分けて2つの季節があります。
| 季節 | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 乾季 | 12月~5月 | 晴天が多く、旅行に最適。1~2月は比較的涼しい |
| 雨季 | 6月~11月 | スコール(短時間の激しい雨)が多い。台風シーズンでもある |
(出典: フィリピン政府観光省)
雨季でも1日中雨が降り続くわけではなく、午後にスコールが降る程度の場合が多いですが、台風シーズン(6月~11月)は航空便の欠航リスクがあるため、避けるのが無難です。
(2) ビザ:30日以内の観光なら不要、eTravelの事前登録必須
在フィリピン日本国大使館によると、2025年時点で、日本国籍者が30日以内の観光・商用目的でフィリピンを訪れる場合、ビザは不要です。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- パスポート残存期間が滞在日数+6ヶ月以上
- 帰国便または第三国への航空券を所持
- eTravel(電子渡航登録システム)の事前登録が必須
eTravel(イートラベル)は、フィリピン入国時に必要なオンライン事前登録システムです。渡航の72時間前までに登録を完了しておく必要があります。詳細はCSPナビ等で確認できますが、制度変更の可能性があるため、渡航前に大使館・航空会社への確認を推奨します。
(3) アクセス:主要都市から直行便あり(成田・関空・中部等)
日本からフィリピンへの主要路線は以下の通りです。
| 出発地 | 目的地 | 所要時間 | 主な航空会社 |
|---|---|---|---|
| 成田・羽田 | マニラ | 約4~5時間 | JAL、ANA、フィリピン航空 |
| 成田・関空 | セブ | 約4~5時間 | フィリピン航空、セブパシフィック |
| 中部 | マニラ | 約5時間 | フィリピン航空 |
| 札幌 | マニラ | 約5時間 | フィリピン航空(2025年11月再開) |
(出典: 各航空会社公式サイト、執筆時点)
航空券の料金は時期により変動しますが、往復で4万~10万円程度が相場です。乾季のピークシーズン(12月~2月)は高めですが、雨季(6月~11月)は割安になる傾向があります。
(4) 物価:食費1日1,000~2,000円、交通費・宿泊費も割安
フィリピンの物価は日本の約3分の1です。主な費用目安は以下の通りです。
- 食費: ローカル食堂1食200~500円、中級レストラン1,000円以下
- 交通費: タクシー初乗り100円程度、配車アプリ(Grab)利用で安心
- 宿泊費: ゲストハウス2,000~3,000円/泊、中級ホテル5,000~10,000円/泊
詳細は次のセクションで解説します。
目的別おすすめエリア:セブ・マニラ・ボラカイ・パラワン
フィリピンの主要観光エリアを目的別に紹介します。
(1) セブ島(マクタン島):ビーチリゾートと街観光のバランス型
フィリピン政府観光省によると、セブ島(正確にはマクタン島)はフィリピンを代表するリゾートエリアです。空港もマクタン島にあり、アクセスが便利です。
セブ島の特徴:
- ビーチリゾート(マクタン島のビーチ、ダイビング・シュノーケリング)
- 街観光(セブシティの歴史地区、ショッピングモール)
- 日帰り観光(ボホール島のチョコレートヒルズ、ターシャ見学)
おすすめの過ごし方: 初日はマクタン島でリゾート、2日目はセブシティで街歩き、3日目はボホール島日帰りツアーなど、多彩なプランを組めます。
(2) マニラ:歴史・街歩き・最先端エリア観光
マニラはフィリピンの首都で、歴史地区と最先端エリアが共存する街です。
マニラの特徴:
- 歴史地区(イントラムロス、サンチャゴ要塞)
- 最先端エリア(マカティ、BGC、オカダマニラ)
- ショッピング・グルメ(モールオブアジア、グリーンベルト)
おすすめの過ごし方: 午前中はイントラムロスで歴史探訪、午後はマカティやBGCで最新のショッピング・グルメを楽しめます。ビーチリゾートを求める方には向きませんが、都市観光派には最適です。
(3) ボラカイ島:世界的ホワイトビーチ、リゾート特化
ボラカイ島は世界的に有名なホワイトビーチを持つ小さな島です。リゾート特化型で、ビーチでのんびり過ごしたい方に最適です。
ボラカイ島の特徴:
- 全長4kmのホワイトビーチ(世界トップクラスの美しさ)
- マリンアクティビティ(ダイビング、パラセーリング、サンセットクルーズ)
- リゾートホテル・スパが充実
アクセス: マニラまたはセブから国内線でカティクラン空港へ(約1時間)、そこからボートで約15分です。
(4) パラワン・ボホール島:秘境・自然体験型
パラワン島のエルニドやコロン、ボホール島のチョコレートヒルズは、秘境・自然体験を求める方に人気です。
パラワン・ボホール島の特徴:
- エルニド(透明度抜群のラグーン、島巡りツアー)
- コロン(沈船ダイビング)
- チョコレートヒルズ(ボホール島の独特な丘陵地帯)
- ターシャ(世界最小の猿、ボホール島)
アクセス: マニラまたはセブから国内線で各島へ。エルニドはプエルトプリンセサ経由、ボホール島はタグビララン空港が最寄りです。
ベストシーズンと費用目安:3泊4日の予算
(1) ベストシーズン:乾季12月~5月(特に1~2月)
フィリピン旅行のベストシーズンは乾季の12月~5月です。フィリピン政府観光省によると、特に1~2月は気温がやや低め(25~30℃)で過ごしやすく、航空券・ホテルも比較的安価です。
3~5月は暑さが厳しくなりますが(30~35℃)、晴天率が高いです。
(2) 台風シーズン:6月~11月は避けるのが無難
6月~11月は雨季で、台風シーズンでもあります。午後にスコール(短時間の激しい雨)が降ることが多く、台風が直撃すると航空便が欠航するリスクがあります。
旅行を計画する際は、航空券のキャンセルポリシーを確認し、旅行保険の加入を推奨します。
(3) 費用目安:3泊4日で12万~18万円(格安5万~15万円)
NEWT「フィリピン旅行の費用はいくら?」によると、フィリピン旅行(3泊4日)の費用相場は以下の通りです。
| 旅行スタイル | 費用目安 |
|---|---|
| 格安旅行 | 5万~15万円 |
| 標準旅行 | 12万~18万円 |
| 贅沢旅行 | 20万~45万円 |
(出典: NEWT、執筆時点)
格安旅行はゲストハウス泊・ローカル食堂中心、標準旅行は中級ホテル泊・バランス型、贅沢旅行は高級リゾート泊・アクティビティ充実です。
(4) 費用内訳:航空券・宿泊・食事・交通・アクティビティ
標準旅行(3泊4日、12万~18万円)の内訳例は以下の通りです。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 航空券 | 往復(エコノミー) | 4万~10万円 |
| 宿泊費 | 中級ホテル3泊 | 1.5万~3万円 |
| 食費 | 1日1,500円×4日 | 0.6万円 |
| 交通費 | 空港送迎・タクシー・Grab | 0.5万~1万円 |
| アクティビティ | ダイビング・ツアー等 | 1万~2万円 |
| 雑費 | お土産・通信費等 | 0.5万~1万円 |
| 合計 | 12万~18万円 |
航空券は時期により大きく変動します(乾季ピークは高め、雨季は安め)。また、為替レートの変動により、現地での費用が変わる場合があります。最新情報は旅行会社または航空会社公式サイトでご確認ください。
治安・安全情報と注意点:外務省情報と実用的対策
(1) 治安概況:外務省危険度レベル1(十分な注意が必要)
在フィリピン日本国大使館によると、フィリピン(マニラ首都圏、セブ、ボラカイ等)の治安は外務省危険度レベル1に指定されています。これは「十分な注意が必要」を意味し、日本と比べると犯罪発生率は高い状況です。
ただし、観光客が多く訪れるエリア(マカティ、BGC、セブのリゾートエリア等)は比較的治安が良く、基本的な注意を守れば安全に旅行できます。
(2) 注意すべき犯罪:スリ・置き引き・睡眠薬強盗
在フィリピン日本国大使館の安全対策情報によると、日本人旅行者が遭遇しやすい犯罪は以下の通りです。
- スリ・置き引き: 混雑した場所(市場、ショッピングモール、バス内等)で多発
- 睡眠薬強盗: 見知らぬ人から飲食物を勧められ、睡眠薬を混入されて金品を奪われる
- タクシートラブル: メーター改造、ぼったくり
(3) 避けるべきエリア:トンド・エルミタ地区等
マニラ首都圏の中でも、トンド地区やエルミタ地区は治安が悪いとされており、近づかないことを推奨します。特に夜間の一人歩きは避けるべきです。
観光客が訪れる主要エリア(マカティ、BGC、マニラベイエリア等)は比較的安全ですが、夜間は複数人での行動を心がけましょう。
(4) 実用的対策:配車アプリ(Grab)活用、夜間外出回避
安全に旅行するための実用的対策は以下の通りです。
- 配車アプリ(Grab)を活用: メータートラブルを回避でき、料金も事前に確定
- 貴重品管理を徹底: 混雑した場所ではリュックを前に抱える、財布は分散管理
- 見知らぬ人からの飲食物は絶対に受けない: 睡眠薬強盗対策
- 夜間の一人歩きは避ける: 特に治安の悪いエリアには近づかない
- 冷房対策: バスや室内は冷房が効きすぎているため、羽織るものを持参
Grab(グラブ)は東南アジアで広く使われている配車アプリで、フィリピンでも主要都市で利用できます。事前にアプリをダウンロードし、クレジットカードを登録しておくと便利です。
まとめ:目的別モデルプランと計画の立て方
フィリピン旅行は、ビーチリゾート・都市観光・自然体験の全てが楽しめる多様性が魅力です。セブ島はリゾートと街観光のバランス型、マニラは歴史・街歩き中心、ボラカイ・パラワンは秘境・リゾート特化です。
ベストシーズンは乾季の12月~5月(特に1~2月)で、3泊4日なら12万~18万円が相場です。治安は外務省危険度レベル1ですが、配車アプリ(Grab)活用や夜間外出回避など基本的な注意を守れば、安全に旅行できます。
旅行を計画する際は、フィリピン政府観光省や在フィリピン日本国大使館の公式サイトで最新情報を確認し、渡航前にeTravel登録を完了しておきましょう。
