グリーンツーリズムが注目される理由
都市生活に疲れを感じ、「自然に囲まれた場所でリフレッシュしたい」「普段できない体験をしたい」と思う方は少なくありません。
この記事では、グリーンツーリズムとは何か、どんな体験ができるのか、参加方法や費用を、農林水産省やJTB総合研究所の公式情報を元に解説します。
自然体験や農業体験に興味がある方、地域貢献型の旅行を検討している方に役立つ内容です。
この記事のポイント
- グリーンツーリズムは農山漁村地域で自然・文化・人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動
- 農業体験(収穫・田植え・稲刈り等)、郷土料理・調理体験、工芸・クラフト体験、自然散策等が可能
- 半日体験1,500円程度と手頃で、全国約260軒の農林漁業体験民宿が登録されている
- パッケージツアーと個別予約サイトの2つの予約方法があり、事前予約が推奨される
グリーンツーリズムとは(定義・歴史・一般観光との違い)
グリーンツーリズムとは、農山漁村地域で自然・文化・人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動のことです。
法的定義(農山漁村余暇法、農林水産省定義)
農林水産省によると、グリーンツーリズムは「緑豊かな農村地域での滞在型余暇活動」と定義されています。1994年に「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(農山漁村余暇法)」が制定され、法的な基盤が整備されました。
この法律に基づき、全国で農林漁業体験民宿の登録制度が運用され、まちむら交流きこうによると、令和5年3月末時点で全国約260軒が登録されています。
歴史的背景(1994年法制定、ヨーロッパからの普及)
グリーンツーリズムは、もともとヨーロッパ諸国で普及した長期バカンス型の余暇活動です。JTB総合研究所によると、日本では1994年の法制定以降、農村地域の活性化と都市住民の余暇活動の多様化を目的に推進されてきました。
近年では、教育旅行の受け入れや、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献が注目され、体験型学習として学校・団体の利用が増加しています。
一般的な観光 vs グリーンツーリズムの違い(地域貢献・SDGs)
一般的な観光とグリーンツーリズムの主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 一般的な観光 | グリーンツーリズム |
|---|---|---|
| 目的 | 観光地巡り、レジャー | 自然・文化・人々との交流、体験型学習 |
| 滞在スタイル | 短期・移動型 | 滞在型・じっくり体験 |
| 地域貢献 | 限定的 | 地域経済活性化、持続可能な農村づくり |
| 体験内容 | 観光施設見学、食事、買い物 | 農業体験、郷土料理作り、工芸体験等 |
グリーンツーリズムは、地域住民との交流を通じて、地域文化の理解や継承、地域経済への貢献が期待されます。
体験内容の種類(農業・自然・文化体験)
グリーンツーリズムでは、農山漁村地域ならではの多様な体験ができます。
農業体験(収穫・田植え・稲刈り等)
農協観光Nツアーによると、農業体験には以下のようなプログラムがあります。
- 収穫体験: 果物(いちご、りんご、ぶどう等)、野菜(トマト、きゅうり、じゃがいも等)の収穫
- 田植え・稲刈り: 春は田植え、秋は稲刈り体験が人気
- 酪農体験: 牛の世話、搾乳、バター作り等
星野リゾート「リゾナーレ那須」では、2019年に日本初のアグリツーリズモリゾートとして開業し、「ファーマーズレッスン」や「お米の学校」等のプログラムを提供しています。
郷土料理・調理体験
地元の食材を使った郷土料理作りは、食文化を学ぶ貴重な機会です。
- そば打ち体験: 地元産そば粉で手打ちそばを作る
- 郷土料理教室: 地域の伝統料理を地元のお母さんに教わる
- 野菜・果物の加工体験: ジャム作り、漬物作り等
地産地消の食事を楽しみながら、生産者との交流を通じて食の大切さを学べます。
工芸・クラフト体験
農村地域に伝わる伝統工芸や手仕事を体験できます。
- 竹細工・木工体験: 竹かご、木のスプーン等の制作
- 陶芸体験: 地元の土を使った陶器作り
- 草木染め体験: 自然の植物で布を染める
自然散策・アウトドア体験
農山漁村の豊かな自然を満喫できるプログラムも充実しています。
- 森林散策: ガイド付きで森の生態系を学ぶ
- 川遊び・釣り体験: 清流での川遊び、渓流釣り
- 星空観察: 都市では見られない満点の星空
参加方法・予約(パッケージツアー vs 個別予約)
グリーンツーリズムに参加する方法は、大きく分けて2つあります。
パッケージツアー(農協観光Nツアー等)
農協観光Nツアー等の旅行会社が企画するパッケージツアーを利用する方法です。
メリット:
- 交通手段・宿泊・体験プログラムがセットで手配不要
- 添乗員同行プランもあり、初心者でも安心
- 団体割引が適用される場合がある
デメリット:
- 体験内容・スケジュールが決まっている
- 個別手配より割高になる場合がある
個別予約サイト(アソビュー等)
アソビュー等の体験予約サイトで、個別に体験プログラムを予約する方法です。
メリット:
- 自分の好きな体験だけを選べる
- 日程・時間を自由に設定できる
- 料金が比較的安い(半日体験1,500円程度から)
デメリット:
- 交通手段・宿泊は自分で手配が必要
- 農村地域のため公共交通機関が不便な場合が多い
事前予約の重要性(人気施設・繁忙期)
グリーンツーリズムは事前予約が推奨されます。特に以下の時期は早めの予約が必要です。
- 繁忙期: ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィーク
- 収穫シーズン: 春(いちご・桜)、秋(稲刈り・りんご・ぶどう)
- 週末・連休: 土日祝は混み合うことが多い
費用・宿泊施設・持ち物
グリーンツーリズムの費用や宿泊施設について解説します。
体験料金の目安(半日体験1,500円程度)
アソビューによると、半日体験(2時間程度)の料金は1,500円(税別)程度が目安です。
| 体験内容 | 料金目安 |
|---|---|
| 収穫体験(半日) | 1,500円~2,000円 |
| 郷土料理教室(半日) | 2,000円~3,000円 |
| 工芸体験(半日) | 1,500円~2,500円 |
| 1日体験プログラム | 3,000円~5,000円 |
※料金は施設・地域・体験内容により異なります。執筆時点(2025年)の目安であり、詳細は各施設にご確認ください。
宿泊施設の種類(農林漁業体験民宿・農家民宿・農家民泊・一般宿泊施設)
グリーンツーリズムの宿泊施設は主に3種類あります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 農林漁業体験民宿 | 農山漁村余暇法に基づき登録された体験提供可能な宿泊施設(全国約260軒) |
| 農家民宿 | 農家が経営する民宿(旅館業法届出済み) |
| 農家民泊 | 農家が自宅等を提供するホームステイ型サービス |
| 一般宿泊施設 | 近隣の旅館・ホテル・ペンション等 |
全国約260軒の農林漁業体験民宿登録制度
まちむら交流きこうによると、令和5年3月末時点で全国約260軒の農林漁業体験民宿が登録されています。これらの施設は、農林漁業体験を提供できる宿泊施設として国の基準を満たしており、安心して利用できます。
持ち物・服装の注意点
農作業や自然体験に適した服装・持ち物が必要です。
服装:
- 汚れても良い動きやすい服(長袖・長ズボン推奨)
- 帽子(日よけ・虫よけ)
- 運動靴または長靴(施設で貸出がある場合も)
持ち物:
- タオル・ハンカチ
- 虫除けスプレー
- 日焼け止め
- 着替え(泥や汗で汚れる場合あり)
- 軍手(施設で貸出がある場合も)
季節・天候により体験内容が変更・中止される可能性があるため、事前に施設に確認することをおすすめします。
まとめ:目的別のグリーンツアー選び方
グリーンツーリズムは、農山漁村地域で自然・文化・人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動です。農業体験、郷土料理作り、工芸体験、自然散策等、多様な体験ができ、半日体験1,500円程度と手頃な料金設定です。
パッケージツアーと個別予約サイトの2つの予約方法があり、目的や予算に応じて選べます。農村地域のため公共交通機関が不便な場合が多く、車でのアクセスが推奨されます。
各施設・自治体の公式サイトや予約サイトで最新情報を確認し、事前予約をして、自然豊かな農山漁村地域での体験を楽しみましょう。
FAQ
よくある質問にお答えします。
グリーンツーリズムとは何ですか?
グリーンツーリズムとは、農山漁村地域で自然・文化・人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動のことです。農林水産省が1994年の農山漁村余暇法で「緑豊かな農村地域での滞在型余暇活動」と定義し、農林漁業体験民宿の登録制度等が整備されています。一般的な観光と異なり、地域住民との交流や体験型学習を重視し、地域経済活性化や持続可能な農村づくりに貢献します。
どんな体験ができますか?
農業体験(収穫・田植え・稲刈り・酪農体験等)、郷土料理・調理体験(そば打ち・郷土料理教室・ジャム作り等)、工芸・クラフト体験(竹細工・陶芸・草木染め等)、自然散策・アウトドア体験(森林散策・川遊び・星空観察等)ができます。地域により多様な体験プログラムがあり、アソビュー等の予約サイトで検索できます。季節により体験内容が異なるため、事前に施設に確認することをおすすめします。
どの地域がおすすめですか?
北海道長沼町(特区認定)、栃木県大田原市(官民共同法人設立)、群馬県、四国、秋田県、福井県等が成功事例として知られています。各地域で特色ある体験が可能で、例えば星野リゾート「リゾナーレ那須」では日本初のアグリツーリズモリゾートとして「ファーマーズレッスン」等を提供しています。まちむら交流きこうのサイトで全国約260軒の農林漁業体験民宿が検索できます。
料金はいくらですか?
半日体験(2時間程度)は1,500円(税別)程度が目安です。1日体験プログラムは3,000円~5,000円程度。宿泊は農林漁業体験民宿等で施設により異なります。パッケージツアーは交通・宿泊・体験がセットになっており、個別予約より割高になる場合がありますが、手配不要で初心者に便利です。料金は2025年時点の目安であり、詳細は各施設・予約サイトでご確認ください。
予約はいつまでにすればいいですか?
事前予約が推奨されます。特に繁忙期(ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィーク)、収穫シーズン(春のいちご・桜、秋の稲刈り・りんご・ぶどう)、週末・連休は混み合うため、早めの予約が必要です。人気施設は1ヵ月前には満席になることもあるため、予定が決まり次第予約することをおすすめします。
