旅行業の資格とは|業界で求められる資格の重要性
旅行業の資格取得を検討する際、「どの資格を取ればいいか」「難易度はどのくらいか」「資格取得でキャリアにどう影響するか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、旅行業務取扱管理者の種類と違い、受験資格、試験内容、勉強方法、資格取得のメリットを、観光庁・全国旅行業協会等の公式情報を元に解説します。
初めて旅行業の資格取得を目指す方でも、計画的に学習を進められるようになります。
この記事のポイント
- 旅行業務取扱管理者は旅行業界唯一の国家資格で、営業所ごとに1名以上の配置が法律で義務付けられている
- 資格は総合・国内・地域限定の3種類で、海外旅行も扱うなら総合、国内専門なら国内で可
- 受験資格に年齢・学歴・実務経験の制限がなく、誰でも受験可能
- 合格率は総合28.2%、国内33.4%(2024年度)で、計画的な学習で合格可能
(1) 旅行業界唯一の国家資格としての位置づけ
旅行業務取扱管理者は、旅行業者の営業所で旅行業務の管理・監督を行う国家資格です。観光庁によると、旅行業法により営業所ごとに1名以上の配置が義務付けられています。
(2) 旅行業法による配置義務(営業所ごとに1名以上)
旅行会社は営業所ごとに旅行業務取扱管理者を1名以上配置する必要があります。このため、資格保有者の需要は高く、就職・転職に有利です。
(3) その他の旅行関連資格(旅程管理主任者・通訳案内士等)
旅程管理主任者:
- 企画旅行の添乗員(ツアーコンダクター)に必要な資格
- 総合旅程管理主任者と国内旅程管理主任者の2種類
通訳案内士:
- 外国人観光客に有償でガイドを行うための国家資格
- インバウンド需要回復に伴い需要増加
旅行業務取扱管理者の種類と違い|総合・国内・地域限定の比較
旅行業務取扱管理者は、取扱範囲により3種類に分類されます。
| 資格名 | 取扱範囲 | 試験実施団体 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 総合旅行業務取扱管理者 | 国内・海外両方 | 日本旅行業協会(JATA) | 海外旅行も扱う |
| 国内旅行業務取扱管理者 | 国内旅行のみ | 全国旅行業協会(ANTA) | 国内専門 |
| 地域限定旅行業務取扱管理者 | 特定地域のみ | 全国旅行業協会(ANTA) | 地域観光特化 |
(1) 総合旅行業務取扱管理者(国内・海外両方)
国内旅行と海外旅行の両方を取り扱える資格です。大手旅行会社への就職を目指す場合は総合の取得を推奨します。
(2) 国内旅行業務取扱管理者(国内旅行のみ)
国内旅行のみを取り扱える資格です。国内旅行専門の旅行会社や、国内旅行に特化したキャリアを目指す場合に最適です。
(3) 地域限定旅行業務取扱管理者(特定地域のみ)
平成30年度より新設された資格で、特定地域の旅行業務のみを取り扱えます。地域観光に特化した事業を展開する場合に有効です。
(4) 資格ごとの取扱範囲と選び方
選び方のポイント:
- 海外旅行も扱うなら → 総合
- 国内専門なら → 国内
- 国内合格後、総合試験の一部科目が免除される
- まずは国内から挑戦するのも有効な戦略
受験資格・試験内容・合格率|国家資格取得への道
(1) 受験資格(年齢・学歴・実務経験の制限なし)
旅行業務取扱管理者試験は、年齢・学歴・実務経験の制限がなく、誰でも受験可能です。
(2) 試験科目・出題範囲(旅行業法・約款・国内/海外旅行実務)
総合旅行業務取扱管理者試験:
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務
- 海外旅行実務
国内旅行業務取扱管理者試験:
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務
(3) 合格率・難易度(2024年度:総合28.2%、国内33.4%)
| 資格 | 合格率(2024年度) | 難易度 |
|---|---|---|
| 総合旅行業務取扱管理者 | 28.2% | 中〜高 |
| 国内旅行業務取扱管理者 | 33.4% | 中 |
合格率は30%前後で、計画的な学習で合格可能な難易度です。
(4) 試験日程・申込方法・受験費用
試験日程:
- 年1回実施(総合: 10月、国内: 9月)
- 申込期間を逃すと1年待つ必要があるため注意
受験費用:
- 総合: 6,500円
- 国内: 5,800円
(2024年時点、最新情報は各実施団体の公式サイトでご確認ください)
勉強方法・合格のコツ|独学・通信講座・専門学校の比較
(1) 独学のメリット・デメリット(費用・自由度・難易度)
メリット:
- 費用が抑えられる(参考書代のみ)
- 自分のペースで学習可能
デメリット:
- 学習計画の自己管理が必要
- 疑問点の解決に時間がかかる場合がある
(2) 通信講座の特徴(ユーキャン等)
メリット:
- 体系的な教材・カリキュラム
- 添削指導で理解度確認
費用目安:
- 3〜5万円程度
(3) 専門学校の特徴
メリット:
- 講師への質問が可能
- モチベーション維持しやすい
費用目安:
- 5〜10万円程度
(4) 効率的な学習計画・合格のコツ
学習期間の目安:
- 総合: 6ヶ月〜1年
- 国内: 3ヶ月〜6ヶ月
合格のコツ:
- 過去問を繰り返し解く(出題傾向の把握)
- 苦手科目を重点的に学習
- 実務科目(国内/海外旅行実務)は暗記量が多いため早めに着手
資格取得のメリット・キャリアパス|就職・転職・独立への影響
(1) 就職・転職への影響(旅行会社・観光業界)
旅行業務取扱管理者の資格は、旅行会社への就職・転職に有利です。営業所ごとに1名以上の配置が義務付けられているため、資格保有者の需要は高いです。
(2) 資格手当・昇進への影響
多くの旅行会社では、資格手当(月5,000円〜1万円程度)が支給される場合があります。また、管理職への昇進要件とされることもあります。
(3) 独立開業への道(旅行業の登録要件)
旅行業を開業するには、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を配置する必要があります。資格取得は独立開業への第一歩です。
(4) 資格維持・更新要件(5年ごとの定期研修)
旅行業務取扱管理者の資格は一度取得すれば生涯有効です。ただし、旅行業務に従事する場合は5年ごとの定期研修が必要です。
まとめ|目的・キャリアプラン別のおすすめ資格
旅行業務取扱管理者は、旅行業界唯一の国家資格で、営業所ごとに1名以上の配置が法律で義務付けられています。総合・国内・地域限定の3種類があり、海外旅行も扱うなら総合、国内専門なら国内で可です。
受験資格に制限がなく、誰でも挑戦できます。合格率は30%前後で、計画的な学習で合格可能な難易度です。
