外国人観光客が選ぶ日本の人気スポット|インバウンド動向と観光地ランキング

著者: Tripfolio編集部公開日: 2025/11/28

なぜ外国人観光客が増え続けているのか

日本を訪れる外国人観光客(インバウンド観光客)は、2024年に過去最高の3,686万人を記録しました。観光業界関係者や地方自治体担当者にとって、「なぜ外国人観光客が増えているのか」「どのような観光地が人気なのか」は重要な関心事です。

この記事では、訪日外国人の統計データや人気観光スポット、国籍別の傾向をJNTO(日本政府観光局)の公式データを元に解説します。

インバウンド観光の現状と課題を理解し、今後の展望を把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 2024年の訪日外客数は3,686万9,900人で過去最高を記録(2019年比+15.6%)
  • 旅行消費額は約8.1兆円で過去最高、円安が訪日のインセンティブとなっている
  • 国別トップは韓国(881万7,800人)、次いで中国・台湾
  • 人気観光スポットは伏見稲荷大社・USJ・奈良公園が上位
  • オーバーツーリズムや宿泊施設の地域偏在が課題

訪日外国人観光客の基礎知識

(1) 2024年の訪日外客数(過去最高3,686万人)

JNTO(日本政府観光局)によると、2024年の年間訪日外客数は3,686万9,900人で過去最高を記録しました。

訪日外客数の推移

  • 2019年: 3,188万人
  • 2020年: 412万人(COVID-19の影響)
  • 2023年: 2,507万人(回復傾向)
  • 2024年: 3,686万9,900人(過去最高、2019年比+15.6%)
  • 2024年12月: 348万9,800人(単月過去最高)

2024年は2019年を超える過去最高の訪日外客数を記録し、インバウンド観光が本格的に回復したことが示されています。

(2) 旅行消費額の推移(8.1兆円)

JNTOによると、2024年の旅行消費額は約8.1兆円で過去最高を記録しました(2019年比+69.1%)。

旅行消費額の増加要因

  • 円安の影響: 2019年は110円程度、2024年は140〜150円台で推移
  • 訪日客数の増加: 2019年比+15.6%
  • 1人当たりの消費額増加: 円安により日本での買い物・宿泊・飲食が割安に

円安が訪日の有力なインセンティブとなっており、訪日外国人の消費額が大幅に増加しています。

(3) インバウンド観光とは

インバウンド観光とは、外国人が日本を訪れる観光のことを指します(アウトバウンドは日本人が海外へ行く観光)。

JNTO(日本政府観光局)は、訪日外客統計を公表する公的機関で、訪日外国人の動向を月別・国籍別に詳細なデータで把握しています。

外国人に人気の観光スポットと体験

(1) 人気観光スポットランキング(伏見稲荷大社・USJ・奈良公園等)

訪日ラボによると、外国人観光客に人気の観光スポットは以下の通りです。

ランキング 観光スポット 特徴
1位 伏見稲荷大社(京都) 千本鳥居が圧倒的人気
2位 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪) テーマパーク
3位 奈良公園の鹿(奈良) 鹿と触れ合える体験

外国人に人気の観光ジャンル

  • 寺社仏閣: 清水寺、金閣寺、浅草寺等
  • 自然: 富士山、箱根、北海道等
  • テーマパーク: USJ、東京ディズニーリゾート等
  • 温泉: 箱根、草津、別府等
  • 和食体験: 寿司、ラーメン、懐石料理等

(2) 外国人に人気の体験(温泉・和食・文化体験)

外国人観光客は、日本ならではの体験を求めています。

人気の体験

  • 温泉: 日本独特の文化として人気
  • 和食: 寿司・ラーメン・懐石料理等の本場の味を楽しむ
  • 文化体験: 茶道・着物・書道等の伝統文化体験

(3) 大都市圏と地方の違い

内閣府によると、宿泊施設の約70%が大都市圏に集中しており、地方への分散が課題です。

地域分散の課題

  • 大都市圏(東京・大阪・京都等)に観光客が集中
  • 地方の無料Wi-Fi、キャッシュレス決済インフラの整備が遅れている
  • 多言語対応不足(案内表示、パンフレット、ウェブサイト等が日本語中心)

国籍別の傾向とインバウンド動向

(1) 国別訪日客数ランキング(韓国・中国・台湾)

JNTOによると、2024年の国別訪日客数ランキングは以下の通りです。

ランキング 国・地域 訪日客数 特徴
1位 韓国 881万7,800人 最多、地理的に近い
2位 中国 698万1,200人 回復傾向
3位 台湾 604万4,400人 リピーター率が高い

(執筆時点: 2025年、詳細はJNTO公式サイトでご確認ください)

アジア圏(韓国・中国・台湾・香港等)からの観光客が過半数を占めています。

(2) 国籍別の嗜好と滞在パターン

国籍により、嗜好と滞在パターンが異なります。

国籍別の傾向

  • 韓国: 短期滞在(2〜3泊)が多い、福岡・大阪等のアクセスが良い都市が人気
  • 中国: 買い物(化粧品・家電等)の需要が高い、ゴールデンルート(東京・富士山・京都・大阪)が人気
  • 台湾: リピーター率が高く、地方都市にも訪問、温泉・グルメが人気
  • 欧米: 長期滞在(1〜2週間)が多い、京都・奈良等の歴史的観光地が人気

(3) 円安の影響とインセンティブ

円安は訪日旅行のインセンティブとなっています。

円安の影響

  • 2019年: 110円程度(1ドル)
  • 2024年: 140〜150円台(1ドル)
  • 約30〜40円の円安により、日本での買い物・宿泊・飲食が割安に

円安により、訪日旅行の魅力が高まっています。

インバウンド観光の課題と対策

(1) オーバーツーリズム問題

オーバーツーリズムとは、観光客の過度な集中により、地域住民の生活や環境に悪影響が出る現象です。

オーバーツーリズムの例

  • 京都の混雑(桜・紅葉シーズン)
  • 富士山の登山者過多
  • 観光地の住民の生活への影響

対策として、地域分散、観光客の時間帯分散、マナー啓発等が進められています。

(2) 宿泊施設の地域偏在(70%が大都市圏)

内閣府によると、宿泊施設の約70%が大都市圏に集中しています。

課題

  • 地方の宿泊施設不足
  • 大都市圏への観光客集中
  • 地方への経済効果の波及が限定的

対策として、地方の宿泊施設整備、交通アクセス改善等が求められています。

(3) 多言語対応・インフラ整備・マナー啓発

外国人観光客の受け入れには、以下の対策が重要です。

受け入れ対策

  • 多言語対応: 案内表示・パンフレット・ウェブサイト等の英語・中国語・韓国語対応
  • インフラ整備: 無料Wi-Fi、キャッシュレス決済、多言語対応の観光案内所
  • マナー啓発: 観光庁が無料で提供するマナー啓発動画(英語・韓国語・中国語)の活用

外国人観光客のマナー問題は「知らない」「説明を受けていない」ことが原因の場合が多いため、多言語での案内が有効です。

まとめ:今後のインバウンド観光の展望

2024年の訪日外客数は3,686万9,900人で過去最高を記録し、旅行消費額は約8.1兆円となりました。円安が訪日のインセンティブとなっており、国別トップは韓国(881万7,800人)、次いで中国・台湾です。

人気観光スポットは伏見稲荷大社・USJ・奈良公園が上位で、寺社仏閣・温泉・和食体験が好まれます。

今後の展望

  • 訪日外客数はさらに増加する可能性が高い
  • 地方への分散、持続可能な観光の推進が課題
  • 多言語対応・インフラ整備・マナー啓発の強化が必要

オーバーツーリズムや宿泊施設の地域偏在(70%が大都市圏)が課題ですが、地域分散・受け入れ体制強化により、持続可能なインバウンド観光を実現することが期待されます。

詳細はJNTO(日本政府観光局)観光庁の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q12024年の訪日外国人観光客数はどのくらいですか?

A12024年は3,686万9,900人で過去最高を記録しました(2019年比+15.6%)。12月単月では348万9,800人で単月過去最高です。国別トップは韓国(881万7,800人)、次いで中国(698万1,200人)、台湾(604万4,400人)です。旅行消費額は約8.1兆円(2019年比+69.1%)で、円安(140〜150円台)が訪日のインセンティブとなっています。詳細はJNTO(日本政府観光局)公式サイトでご確認ください。

Q2外国人に人気の観光スポットは何ですか?

A2伏見稲荷大社(千本鳥居)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、奈良公園の鹿が人気TOP3です。寺社仏閣(清水寺、金閣寺、浅草寺等)、自然(富士山、箱根、北海道等)、テーマパーク、温泉、和食体験が好まれます。国籍により嗜好が異なり、韓国は短期滞在、中国は買い物、台湾は温泉・グルメ、欧米は歴史的観光地が人気です。詳細は訪日ラボ等のメディアでご確認ください。

Q3インバウンド観光の課題は何ですか?

A3オーバーツーリズム(観光客の過度な集中)、宿泊施設の大都市圏偏在(70%が大都市圏)、多言語対応不足、地方のインフラ整備(Wi-Fi・キャッシュレス決済)が課題です。京都の混雑(桜・紅葉シーズン)や富士山の登山者過多等がオーバーツーリズムの例です。対策として、地域分散、観光客の時間帯分散、マナー啓発、多言語対応強化が進められています。詳細は内閣府・観光庁の公式サイトでご確認ください。

Q4外国人観光客のマナー問題にどう対応すれば良いですか?

A4観光庁が無料で提供するマナー啓発動画(英語・韓国語・中国語)を活用することが有効です。写真撮影、神社仏閣、公共交通機関、飲食店、温泉等のテーマ別に動画が用意されています。外国人観光客のマナー問題は「知らない」「説明を受けていない」ことが原因の場合が多いため、多言語(英語・中国語・韓国語)の案内表示・ポスターの設置が推奨されます。詳細は観光庁公式サイトでご確認ください。

Q5インバウンド観光の最新情報はどこで確認できますか?

A5JNTO(日本政府観光局)公式サイト(jnto.go.jp)、観光庁公式サイト(mlit.go.jp/kankocho)、JTB総合研究所等で最新情報を確認できます。JNTOは訪日外客統計を月別・国籍別に公表しており、2003年〜2025年のデータが閲覧可能です。2024年の訪日外客数は過去最高を記録し、2025年もさらに増加する可能性が高いと見られています。詳細は各公式サイトでご確認ください。

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Tripfolio編集部

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